オーペラペラ

オペラのエッセイブログ

オペラあれこれ

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東京もんは考えることがレベル高いねえ。すごいアイデアに感心。

2003年にパリのオペラ座で初めて『ラ・ボエーム』を観て以来、20年近くになりました。その時、人の声の素晴らしさに感動しました。ミミを歌っていた歌手の身体全体が楽器のように思えました。

以来、オペラを観たいと思いつつも「偉大なる田舎」住まいゆえ、生の舞台を観る機会はとても少なく、2005年にウカイサンツアーでミラノ(『見知られたエウロパ』)、ボローニャ(『夢遊病の女』)、パルマ(『セビリアの理髪師』)へ行けたことはとても幸せなことでした。やっぱり言葉がわからなくても海外で観たオペラはそれに付随したことも含めて、心に残っています。何がって?それがうまく言えなくて。

日本で観たオペラでは、2007年に新国立劇場で観た『ばらの騎士』が一番心に残っています。あの時10人位そろって観たので、特ダネとは言えないけれど、1階真ん中の通路のすぐ後ろの席だけがずらりと空いていて、開幕のベルが鳴ってから、常陸宮華子妃殿下が両脇に護衛をずらりと従えズカズカと着席、退席の時も、カーテンコールも見ずに会釈もなかったような・・・(周りの人も無視していたからしようがないのかなあ。)
ダイアナ妃と比べるのは無理かもしれないけれど、日本の皇室もふだんからもう少しにこやかであってほしいものです。

そのあと、眞理ちゃん(*)が私の泊まるホテルのある御茶ノ水まで送ってくれて、一緒に夕ご飯を食べた時間が懐かしいです。眞理ちゃんが『ばらの騎士』は「やっぱりワルツがいいわねえ」とか言って、私は元帥夫人のモノローグが好きだったけれど、それは言いそびれて。
やっぱり60代は楽しかったなあ。今は残念ながら隠居生活が長くなり、そんな気持ちも薄れて「ナンマイダ」の日々です。

 

 

ローゼンYukie(名古屋市在住)

 

(* 山本眞理子さん 化粧品会社に勤務していた2000年、会社が協賛していた新国立劇場で顧客案内の折に初めてオペラ観賞(『ドン・ジョヴァンニ』)、第1幕幕切れの七重唱で、オペラにはまってしまったという。その後病を得て闘病の傍ら、国内はもとよりイタリア、ザルツブルク、パリへのオペラツアーに同行。2014年逝去。彼女についてはいずれ稿を改めます  編集部註)