オーペラペラ

オペラのエッセイブログ

ダイアナ妃と一緒に(?)観たサロメ

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 1990年イギリス皇太子夫妻の来日に合わせて、ダイアナ妃が名誉総裁のウェルシュ・ナショナル・オペラの公演がありました。
オペラにハマって、なんでもかんでも見たかった11月の事です。
知らないオペラ団なので1本だけと『ファルスタッフ』を見に行きました。会場はオーチャード・ホール。
確か1幕目は舞台に額縁が出来ていて、歌手はその中を走りまわり、シックな色彩、とてもおしゃれな演出で、すっかり魅了されました。公演の2日目は『サロメ』、これは見なければと、休憩時間にチケット売り場まで走り、1階の一番後ろの席をゲットしました。
翌日、オーチャード・ホールの前はカメラマンがぎっしり、「チケットほしい」のカードを持つ人も一杯。「なになに?」と聞いたらダイアナ妃が来る!というじゃありませんか。
うわーラッキーと2階のロビー手すりから身を乗り出しお待ちしました。ほどなくロイヤルブルーのロングドレスに身を包んだダイアナ妃が階段をのぼってこられ、花束を持っていたら渡せるくらいの距離!上目遣いの、はにかんだような笑顔の目が合いました(のような気が…)
後ろからチャールズ皇太子が、まったく冴えない執事のような感じで歩いてきます。
離婚寸前でしたから、手をつないでというわけにはいかなかったのでしょう。
着席されたのは2階の左側バルコニーの席で、しばらく熱烈拍手にお応えになっていました。
場内が熱く、熱くなって終演後、劇場横の通りで、またもお帰りの車に遭遇し手を振ってくださいました。
人影は、まばらだったので、これは私ひとりに、に間違いありません。
直後に帰国だったらしく、テレビニュースで見たら、飛行機の搭乗時は同じブルーのドレス。着替える時間もなかった過密スケジュールの中のご臨席だったのです。
その時の『サロメ』がどんなだったか、まるっきり覚えていないのは、情けないですが。

 

サロメ Yasuko